お役立ち記事 No.14

賃貸住宅で孤独死が起きたら遺族は何をする? 大家への連絡・遺品整理・葬儀

警察対応から管理会社との調整、残置物・費用・葬儀までを順序立てて解説

賃貸住宅での孤独死では、悲しみの中で大家さんへの連絡や遺品、相続まで考えなければならず、途方に暮れることもあるでしょう。

賃貸住宅で家族が孤独死したと分かったときは、警察の確認が終わる前に室内へ入ったり、清掃や遺品の移動をしたりしないことが第一です。そのうえで、管理会社または大家へ事実を簡潔に知らせ、警察からご遺体が引き渡される時期に合わせて葬儀社へ搬送・安置を相談します。

同時に、賃貸借契約、残置物、未払い賃料、原状回復、相続の扱いを整理します。相続放棄を検討している場合は、遺品を売る、捨てる、分配するといった行為が判断に影響する可能性があるため、先に家庭裁判所や弁護士へ確認するのが安全です。それでは、突然連絡を受けたご遺族が何をどの順番で進めればよいかを、実務の流れに沿って見ていきましょう。

警察・賃貸・葬儀・相続を分けて整理しましょう

賃貸住宅での孤独死は、一つの窓口だけで完結しません。警察による確認、ご遺体の搬送と葬儀、管理会社との賃貸手続、残置物と相続の判断が並行します。混乱を減らすには、担当者と記録を分けることが重要です。

時点最優先で行うこと避けたいこと
発見直後・連絡直後110番または警察の指示に従う/親族の連絡窓口を一人決める室内へ入る/物を動かす/消臭や清掃を始める
警察の確認中管理会社へ第一報/葬儀社へ搬送・安置の仮相談死亡日時や原因を推測で伝える/費用の全額負担を約束する
室内への立入り許可後写真と一覧で現況記録/契約書・保険・鍵を確認記録なしで処分する/自己判断で電気・水道を止める
数日以内賃貸契約の終了方法、残置物、見積り、相続方針を整理口頭だけで合意する/内訳不明の請求に即答する
引渡し前合意範囲の作業/鍵・計器・室内を共同確認合意外の工事を発注する/写真や領収書を捨てる

最初からすべてを決める必要はありません。「今確定していること」と「確認待ち」を分け、日時、相手の氏名、電話内容、渡した鍵や書類を一つの記録表に残してください。

発見から部屋の明渡しまでの全体像

1.警察の確認が終わるまで現場を保つ

自宅で亡くなっている方を発見し、死亡が明らかである、または状況が不自然である場合は、まず110番へ連絡し、指示に従います。警察が到着した後は、身元や発見状況について確認を受けることがあります。身分証、故人との続柄が分かる資料、故人の氏名・生年月日・通院先など、分かる範囲の情報を準備します。

警察による確認中の室内は、ご遺族の判断だけで出入りできる場所ではありません。鍵を持っていても、入室、換気、片付け、貴重品の持出しは待ちます。いつから入室できるか、鍵は誰が管理しているか、次の連絡はどこから来るかを担当者に確認してください。

警察庁が公表する「警察における死体取扱いの流れ」では、検視、必要に応じた検査や解剖、身元確認などを経て、ご遺体が引き渡される流れが示されています。実際の所要時間は状況により異なるため、引渡し時刻を決め打ちせず、葬儀社には「警察からの連絡待ち」と伝えておくと調整しやすくなります。

2.管理会社または大家へ第一報を入れる

警察への連絡と現場保全を優先したうえで、管理会社または大家へ知らせます。賃貸借契約書に管理窓口が記載されていれば、まずその窓口へ連絡します。夜間で通常窓口につながらない場合は、緊急連絡先へ事実だけを伝え、詳しい打合せは営業時間内に行います。

第一報で必要なのは、故人の氏名と部屋番号、連絡者の氏名・続柄、警察が対応中であること、連絡先です。死因や発見後の経過を詳しく説明する必要はありません。確認できていない情報を断定せず、警察から立入りの許可が出たら改めて連絡すると伝えます。

3.ご遺体の搬送・安置・葬儀を相談する

警察からご遺体の引渡し時期が見えてきたら、葬儀社へ搬送先と安置先を相談します。賃貸住宅へ戻すことが難しい場合でも、葬儀社や安置施設などの選択肢があります。ご遺族が遠方にいる場合は、代表者の到着を待てるか、誰が手続を行うかも確認します。

検案後には死体検案書が交付される場合があります。死亡届の提出や火葬許可の手続に必要となるため、受け取る場所、時期、費用、支払方法を確認し、紛失しないよう管理します。警察、医師、葬儀社の役割は異なるため、分からない点は担当窓口ごとに尋ねると整理しやすくなります。

4.賃貸借契約と相続を確認してから残置物を扱う

賃借人が亡くなっても、賃貸借契約や室内の家財が自動的に消えるわけではありません。法務省と国土交通省が公表する残置物に関するモデル契約条項の資料でも、賃借権と室内の家財が相続の対象となり、相続人が分からない場合などは契約の終了や残置物の処理が難しくなることが背景として示されています。

契約書に、死亡時の連絡先、保証人、保証会社、残置物を受け取る人、死後の契約終了に関する条項があるかを確認します。モデル条項が実際の契約に入っているとは限りません。必ず故人が締結した契約書と最新の更新書類を基準にしてください。

大家・管理会社への連絡で伝えること

最初の電話は「事実・現在地・次の連絡」に絞る

突然のことで説明がまとまらないときは、次の例文を基にすると伝え漏れを減らせます。

「○号室の○○○○の家族、○○と申します。本日、室内で亡くなっていることが分かり、現在は警察が確認しています。私は故人の○○に当たり、当面の連絡窓口を務めます。警察から立入りについて案内がありましたら改めてご連絡します。賃貸借契約、鍵、室内確認について、今後の窓口と必要書類を教えていただけますでしょうか。」

第一報では、おわびや弁償の約束よりも、連絡経路を確立することが大切です。「すべてこちらで支払います」「すぐに全部処分します」など、相続や契約を確認する前の約束は避けます。管理会社から質問された事項で不明なものは、「確認して折り返します」と答えて構いません。

管理会社に確認する項目

室内へ入れる時期と、立会いが必要か

管理会社が保管する鍵と、ご遺族が返す鍵の本数

賃貸借契約書、更新書類、特約の写しを受け取れるか

保証人、保証会社、家財保険の登録状況

賃料の支払状況と、契約終了・明渡しまでの手順

残置物の確認、搬出、保管、廃棄について誰の同意が必要か

清掃や修繕の見積りを誰が取り、いつ提示するか

郵便受け、宅配物、自転車、駐車場、物置など付帯部分の扱い

電話の後は、確認内容をメールなど文字に残します。日時、担当者名、次の連絡期限を書いておくと、「言った、聞いていない」という行き違いを防げます。

管理会社へのメール例

「本日お電話しました○号室○○○○の親族、○○です。現在、警察の確認が続いており、室内への立入り時期は未定です。立入り可能との連絡を受け次第、現況確認の日程をご相談します。契約書・特約、鍵、保証契約、保険、未払い賃料の有無、契約終了と残置物の手順について、確認可能な資料をご案内ください。なお、費用負担については相続関係と契約内容を確認したうえで協議させてください。」

契約書・鍵・保険を一か所に集める

室内への立入りが認められたら、いきなり片付けるのではなく、まず契約と費用に関係する資料を探します。警察や管理会社の指示に従い、複数人で作業し、持ち出した物を一覧にします。

確認資料見るポイント確認する理由
賃貸借契約書・更新書類契約名義、特約、保証人、解約方法、原状回復契約終了と費用協議の基礎になる
家財保険の証券・案内契約番号、補償対象、連絡期限、免責清掃や損害の一部が対象か確認する
保証会社の書類契約範囲、連絡先、立替えの対象大家からの請求と保証会社の請求を混同しないため
通帳・請求書・家賃明細最終支払日、口座振替、未払いの有無賃料や公共料金の状況を把握する
鍵・カード・リモコン本数、場所、貸与品かどうか返却漏れと交換費の争いを防ぐ
遺言書・相続関係の資料保管場所、連絡先、財産と債務の手掛かり遺品を処分する前に相続方針を検討する

賃貸借契約の「緊急連絡先」と「連帯保証人」は同じではありません。緊急連絡先として登録されているだけで、直ちに賃料や修繕費の支払義務を負うとは限りません。一方、連帯保証や保証会社の範囲は契約内容で異なります。名義を確認せずに、ご遺族だからという理由だけで結論を出さないことが大切です。

部屋に入れるようになったら最初にすること

写真と動画で現況を記録する

警察から立入りが認められ、管理会社との日程が決まったら、可能であれば管理会社の担当者と一緒に室内を確認します。玄関から各室へ進み、壁、床、設備、窓、浴室、トイレ、台所、家電、メーターなどを広く撮影します。汚損がある場所だけでなく、損傷のない場所も撮ると、作業前後を比較できます。

写真は撮影日が分かる状態で保存し、画像番号と場所を一覧にします。貴重品や書類を持ち出す場合は、品名、数量、持出日、保管者を記録してください。感情的につらい作業ですから、代表者一人で抱えず、記録係と探索係を分けると負担を減らせます。

衛生上の危険がある場所へ無理に入らない

発見まで時間が経っている場合、臭気だけでなく、体液、害虫、腐敗物、カビなどが生じていることがあります。家庭用のマスクや洗剤だけでは対応が難しいこともあります。床材をはがす、汚染物を袋詰めする、薬剤を散布するといった作業を、ご遺族だけで急いで行う必要はありません。

まず立入り範囲を管理会社と確認し、必要に応じて専門作業の見積りを取ります。見積りでは、一次清掃、搬出、梱包、消臭、害虫対策、解体、修繕、廃棄を分けてもらうと比較しやすくなります。

ペット・冷蔵庫・水漏れなど緊急性の高い事項を優先する

室内にペットがいる、冷蔵庫の食品が傷んでいる、水が流れたまま、窓が開いているなど、被害が広がるおそれがある場合は、警察と管理会社へすぐ伝えます。ただし、ご遺族だけで入室できるとは限りません。許可を得たうえで、誰が何をしたかを記録します。

電気や水道は、清掃・換気・設備確認に必要となる場合があります。支払を止めたい気持ちがあっても、管理会社や作業担当者と使用予定を確認してから手続してください。ガスは安全確認を優先し、事業者の案内に従います。

遺品整理の前に相続方針を確認する

部屋の物は「不要品」ではなく相続財産になり得る

家具、家電、現金、預貯金通帳、貴金属、車両、デジタル機器など、故人が所有していた物は相続財産となり得ます。明らかに価値が低く見える物でも、契約書、借用書、保険証券、権利証、写真、端末の認証情報など、相続調査に必要な情報が含まれていることがあります。

「大家から早く片付けてほしいと言われたから」という理由だけで、直ちに全部を廃棄しないでください。賃貸側にも早期明渡しの事情はありますが、誰に処分権限があるか、相続人が複数いるか、遺言があるかを確認したうえで日程を協議します。

相続放棄を検討するなら、処分や売却の前に相談する

裁判所の案内では、相続人は、自己のために相続が始まったことを知ったときから3か月の熟慮期間内に、単純承認、限定承認または相続放棄を選ぶことが示されています。調査しても決められない場合は、家庭裁判所へ期間伸長を申し立てられる制度があります。

一方、相続財産の全部または一部を処分したときは、民法上の単純承認に関係する可能性があります。保存のために必要な行為などは扱いが異なり得ますが、個別事情で判断が変わります。相続放棄の可能性が少しでもあるなら、次の行為をする前に弁護士や家庭裁判所の手続案内へ確認してください。

遺品を売却、譲渡、廃棄する

故人の預金を引き出して清掃費や賃料に充てる

故人宛ての請求を自己判断で支払う

車、貴金属、家電などを自分の物として持ち帰る

管理会社との精算書に「全額を負担する」と署名する

葬儀費用の支出や傷みやすい物の処置なども、状況により評価が分かれることがあります。領収書と経緯を残し、一般論だけで判断しないことが重要です。

相続人が分からない・全員が放棄した場合

相続人の存在が明らかでない場合や、相続人全員の放棄により相続する人がいなくなった場合、家庭裁判所が申立てにより相続財産清算人を選任する制度があります。大家などの利害関係人が申立人となる場合もあります。

この場面では、ご遺族でない人や放棄した人が自由に残置物を処分できるわけではありません。管理会社側にも法的手続が必要になることがあります。鍵の返却、物の保管、緊急対応の範囲を、専門家を交えて書面で整理します。

原状回復・特殊清掃・未払い賃料は分けて確認する

請求は「一式」ではなく内訳を確認する

孤独死が起きた賃貸住宅では、清掃、消臭、害虫対策、床や壁の撤去・交換、残置物搬出、鍵交換など、複数の費用が発生することがあります。しかし、発生した費用のすべてを、親族が当然に負担するとは限りません。

相続を承認したか、保証契約があるか、損傷の原因と範囲、保険が使えるか、敷金をどう充てるか、工事が必要な範囲はどこまでかなどを確認します。国土交通省の原状回復ガイドラインは、賃貸契約に関する一般的な基準を示すもので、個別契約を一律に決める法律そのものではありませんが、費用を話し合う際の確認材料になります。

費用の区分確認する資料・相手主な確認ポイント
未払い賃料・共益費賃料台帳、通帳、管理会社対象月、既払額、契約終了日との関係
残置物の搬出・保管・廃棄作業見積り、相続人、管理会社処分権限、数量、保管期間、単価
清掃・消臭・害虫対策現況写真、作業範囲、業者見積り工程別の内訳、再施工条件、保険対象
解体・修繕・交換図面、損傷写真、国交省資料必要範囲、経過年数、通常損耗との区別
鍵・貸与品契約書、鍵一覧、返却記録紛失の有無、交換理由、返却本数
敷金・保険金敷金明細、保険証券、支払通知充当項目、差引計算、重複請求の有無

見積書は、室内清掃一式、修繕一式という表記だけでなく、対象箇所、数量、単価、工程、廃棄費、諸経費が分かる形を依頼します。施工前の写真、施工後の写真、領収書も保管します。

賃料や家賃相当額の終期を確認する

賃借人の死亡だけで賃貸借契約が自動的に終了するとは限りません。相続人や契約上の受任者など、権限のある人が契約終了の手続を行い、室内を明け渡すまでの扱いを管理会社と確認します。

契約終了日をいつとするか、予告期間がどう扱われるか、明渡し日までの賃料または使用相当額がどう計算されるかは、契約と事実関係で異なります。口頭で日付を決めるのではなく、合意した終了日と鍵返却日を文書に残してください。

将来の賃料減少などを当然の負担と考えない

管理会社や大家から、空室期間、将来の賃料減少、広告費などを含む請求が提示される場合があります。こうした項目は、名称だけで支払義務や金額が決まるものではなく、契約条項、損害との関係、相当性などの検討が必要です。

その場で支払を約束せず、請求の根拠、計算期間、算定方法、証拠を文書で求めます。高額である、説明に納得できない、相続放棄を検討しているといった場合は、弁護士などへ個別に相談してください。

保険と保証会社への連絡

保険は作業を始める前に連絡する

故人が加入していた家財保険や賃貸向け保険に、借家人賠償、個人賠償、修理費用、遺品整理や清掃に関する特約が付いている場合があります。補償の有無や範囲は契約ごとに異なります。

保険会社へは、契約者名、住所、発見日、現在の警察対応、管理会社の連絡先を伝え、必要書類と写真の撮り方、工事前の承認が必要かを確認します。急いで工事を完了した後では、事故状況を確認できず、保険手続が難しくなることがあります。

保証会社の立替えと最終負担は同じではない

保証会社が賃料などを大家へ立て替える契約であっても、それで債務が消えるとは限りません。後日、契約に基づく請求が行われることがあります。保証会社から連絡を受けたら、対象項目、期間、契約条項、請求先名義を確認し、管理会社からの請求と重複していないかを見ます。

相続方針が未定の場合は、その旨を伝え、回答期限と必要資料を確認します。親族個人の名義で支払合意をする前に、誰が契約当事者または相続人として対応するのかを整理してください。

遺品整理を安全に進める実務手順

仕分けは5分類にすると迷いにくい

室内の物を、①相続・契約資料、②貴重品、③思い出の品、④再利用や売却を検討する品、⑤処分候補に分けます。相続放棄の可能性があるときは、④と⑤を動かす前に相談します。腐敗物など緊急の衛生対応が必要な物は、写真と数量を記録し、処置の理由を残します。

通帳、印鑑、現金、カード、身分証、契約書、請求書、年金・保険・税の書類、スマートフォン、パソコン、外部記憶媒体は、別箱にまとめ、封をして保管者を決めます。誰がいつ開封したかも記録すると、相続人間の誤解を防げます。

デジタル機器は初期化や解約を急がない

スマートフォンやパソコンには、連絡先、写真、契約メール、ネット口座、二段階認証などの手掛かりが残っている可能性があります。端末を初期化したり、通信契約をすぐ解約したりすると、必要な情報にアクセスしにくくなることがあります。

電源、SIM、充電器、ロック状態を記録し、相続人間で取扱いを決めます。パスワードを推測して無断でサービスへ入る行為には、規約や法的な問題が生じる可能性があります。各サービスの公式な故人アカウント手続を確認してください。

依頼先を決めるときは役割を分けて比較する

残置物の搬出、清掃、消臭、修繕は、同じ会社が一括で行う場合も、分けて発注する場合もあります。比較するときは総額だけでなく、処分対象、貴重品探索、写真報告、保管期間、追加料金の条件、廃棄物の扱い、作業後の再確認を見ます。

大家が指定する作業先がある場合でも、見積りと作業範囲を確認します。指定の理由、保険手続、建物管理上の条件を聞き、ご遺族側で別見積りを取れるか相談してください。

賃貸借契約を終了し、部屋を返すまで

解約・終了の権限を確認する

賃貸契約の終了手続は、相続人、遺言執行者、契約で指定された受任者など、権限のある人が行います。親族代表として連絡をしていても、当然に契約終了や残置物処分を決められるとは限りません。

法務省と国土交通省のモデル契約条項は、一定の単身高齢者を念頭に、賃借人の死亡後に賃貸借契約を終了する事務や残置物を処理する事務を第三者へ委任する仕組みを示しています。ただし、故人の契約にその仕組みが採用されているかは別問題です。委任契約書、指定された受任者、廃棄しない物の指定などを確認します。

明渡し確認は管理会社と一緒に行う

搬出と合意済みの清掃が終わったら、管理会社と室内を確認します。作業前の写真と照合し、残っている物、修繕予定、貸与品、メーター、郵便受け、駐車場などを確認します。

鍵を返すときは、本数と種類、返却日時、受取者を記した受領書を受け取ります。明渡し確認書や精算書に署名する前に、費用項目、支払者、未確定項目、保険申請中の項目が区別されているかを読みます。不明な文言があれば、その場で署名せず持ち帰って確認して構いません。

退去精算の記録を保存する

賃貸借契約書、解約書、現況写真、見積書、請求書、領収書、鍵の受領書、保険の支払通知、管理会社とのメールを一つのフォルダーにまとめます。相続手続や相続人間の精算で必要になることがあるため、手続が一段落してもすぐに捨てないでください。

葬儀の準備は部屋の片付けと切り離して進める

孤独死では、警察対応や部屋の状態に意識が向き、葬儀の判断が後回しになりがちです。しかし、ご遺体の引渡し後には搬送先が必要です。室内清掃や賃貸交渉が終わるのを待つ必要はありません。

葬儀社へは、警察署などの引渡し場所、見込み時刻、故人の氏名、搬送希望地域、ご遺族の到着予定、安置先の希望を伝えます。葬儀形式や日程が決まっていなくても、まず搬送と安置だけ相談できます。

遠方のご遺族は、現地対応者と葬儀の意思決定者を分けても構いません。搬送、死亡届、火葬許可、宗教者、参列範囲、費用上限など、決定が必要な項目を一覧にし、家族内で共有します。

家族の役割分担と記録の残し方

担当主な役割共有する記録
警察・身元確認担当警察からの連絡、必要資料、引渡し時期担当部署、氏名、日時、受取書類
賃貸担当管理会社、鍵、契約終了、現況確認契約書、メール、写真、合意事項
葬儀担当搬送、安置、日程、親族連絡見積り、予定表、連絡先、領収書
相続・会計担当財産と債務、支払、保険、専門相談財産一覧、請求書、支払記録、相談メモ
遺品担当仕分け、保管、搬出、デジタル機器遺品一覧、保管者、作業写真、箱番号

一人が複数の役割を担う場合でも、記録の種類は分けます。共有表には「確定」「確認中」「担当」「期限」を設けます。特に、故人の預金から支払ったのか、家族が立て替えたのかを区別し、領収書の余白に支払者と目的を書いておくと後の精算がしやすくなります。

故人の死因、室内の写真、警察から聞いた内容は、必要な人だけで共有します。親族や近隣への説明は、「自宅で亡くなったことが分かり、必要な手続を進めています」程度にとどめ、確定していない情報を広げない配慮も必要です。

よくある質問

緊急連絡先になっているだけでも費用を払うのですか?

緊急連絡先であることだけを理由に、故人の債務を当然に支払うとは限りません。連帯保証人、保証人、相続人、受任者は役割が異なります。契約書の名義と条項、相続の状況を確認し、請求元へ根拠を書面で示してもらってください。

大家から「今日中に片付けて」と言われたら?

警察が現場を開放しているか、誰に処分権限があるか、相続放棄を検討しているかを確認する必要があります。急ぐ事情を聞き、まずは現況記録と緊急対応の範囲、正式な搬出日を協議します。相続判断に関わる場合は専門家へ相談中であることを伝えます。

大家が残置物をすぐ処分してもよいのですか?

室内の家財には所有権や相続の問題があります。契約上の委任や法的手続なしに、自由に処分できるとは限りません。死亡時のモデル条項に基づく契約がある場合も、受任者、対象物、手順を確認します。処分予定の一覧と期限を書面で共有してください。

特殊清掃は必ず遺族が依頼しますか?

誰が発注するかは、建物管理、保険、契約、相続の状況で異なります。管理会社が手配する場合でも、ご遺族側が関与する場合でも、作業範囲と見積り、写真、保険への事前連絡を確認します。衛生上の危険がある場所へ無理に入らないことが優先です。

故人の預金から清掃費を払ってもよいですか?

相続放棄を検討している場合、預金の引出しや債務の支払が法的判断に影響する可能性があります。目的や金額によって扱いが変わり得るため、自己判断せず、先に弁護士や家庭裁判所の手続案内へ確認してください。

家賃は死亡した日までで止まりますか?

死亡日だけで自動的に契約が終わるとは限りません。契約終了の手続と明渡しの時期により、賃料などの扱いが問題になります。契約書を確認し、終了日、鍵返却日、請求期間を管理会社と文書で整理してください。

電気・水道・通信はすぐ解約すべきですか?

清掃、設備確認、データ確認に必要な場合があります。電気と水道は管理会社や作業担当者へ使用予定を確認し、通信は端末認証や契約調査への影響を確認してから進めます。支払状況と解約日を記録してください。

相続放棄の3か月に間に合わないかもしれません

裁判所には、相続財産を調査しても判断できない場合などに、承認または放棄の期間伸長を申し立てる手続があります。申立先は原則として故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。期限直前では準備が難しくなるため、早めに確認します。

請求額が高く、家族だけでは判断できません

請求を項目別に分け、契約条項、写真、見積り、工事範囲、経過年数、敷金・保険の充当、支払名義を確認します。相続、保証、損害賠償が絡む高額請求は、弁護士などへ資料一式を見せて相談してください。

近隣の方には何と伝えればよいですか?

管理会社と相談し、必要最小限にします。「家族が亡くなり、管理会社と必要な対応を進めています。ご迷惑をおかけします」など、確定した事実だけを短く伝えます。死因、発見時の状態、室内写真などを詳しく説明する必要はありません。

約束や処分を急がず、権限と記録を確認する

賃貸住宅で孤独死が起きたときは、警察の現場確認を優先し、管理会社へ第一報を入れ、ご遺体の引渡しに備えて搬送・安置を相談します。室内へ入れるようになっても、まず現況を記録し、賃貸借契約、保証、保険、相続人、残置物を確認してから片付けへ進みます。

費用は、未払い賃料、搬出、清掃、修繕、鍵、敷金、保険などを分け、書面と写真で根拠を確認します。相続放棄を考えているときは、遺品の売却・廃棄や故人名義の預金からの支払を急がず、家庭裁判所や弁護士へ相談してください。

ご自身がご遺族の立場となり、警察からの引渡し後の搬送・安置、葬儀の日程や費用、斎場選びに迷われたときは、ハシモト葬祭へお気軽にご相談ください。質問だけでも、ご依頼を決める前でも構いません。
ハシモト葬祭では、24時間365日、通話料・事前相談無料のフリーダイヤル 0120-34-8813 でご相談を受け付けています。お電話が難しい方は、公式LINE または お問い合わせフォーム をご利用いただけます。